2010年9月1日水曜日

介護保険制度について

これから進む高齢化社会に対応する様に介護保険制度が2000年に制定されスタートしました。この介護保険の特徴としては介護を必要としている人、それとその家族をメインとした考え方で、有利に利用出来る制度と言う事が挙げられる様です。

この介護保険を利用するに当たっては、利用者本人または利用者のご家族が申請をする事、どの介護サービスを利用するか選択する事、選んだ介護サービスを扱っている事業者との契約をする事となっています。つまり介護保険制度は自分で利用も申請も行う必要が有る為に、どんな制度になっているのかと言う事をきちんと理解しておかなければならないと思うのです。とは言っても結構介護保険制度のしくみって難しくて分かりやすいとは言えないと思いますので、徐々に覚えていくと良いと思います。

また、介護保険制度は2005年に介護保険法が改正された事で大きく内容が変わってしまいました。これにより利用者にとっては負担となる部分も出てきた様です。不況だ不景気だと騒がれている中での負担額の増大は、利用する人にとって大きな負担にもなる事でしょう。更に介護保険制度は毎年何かしら変わっている様でも有りますので、常に変更点を把握しておかなければ、有利なサービスを利用する事が出来なくなってしまいます。介護サービスを提供する為に作られた制度ですが、周知自体も難しいので100%の利用が出来ないと言うのも大きなデメリットではないかと思います。


介護保険制度のまとめ

中身を全て理解するのは難しいと言われている介護保険制度ですが、分からないままだとそのままになって、受けられるサービスを逃してしまうかもしれませんので、その概要を簡単にまとめてみたいと思います。介護保険制度とは、対象者から支払われている介護保険料を財源として介護を必要としている人達に、その人達に合った介護サービスを提供している制度の事を指しています。但し、財源は国民から支払われている介護保険料だけではなく、国や各都道府県等から税金が半分は充てられていると言う事です。この介護保険制度では、利用する人が認定された要介護度のレベルに合わせて、色んな介護サービスが提供される様になっています。

では、この介護保険サービスを受けられるのは、国民すべてなのかと言うとそうでは有りません。介護保険料は40歳から支払わなければならなくなりますが、サービス自体を受けるのは条件が有ります。

【介護保険サービスを受ける事が出来る条件】
≪第1号被保険者≫
これは65歳以上の人の事を指していますが、第1号被保険者の人がどういう理由、どういう状態で有っても介護が必要だと判断された場合に受ける事が出来ます。

≪第2号被保険者≫
これは40~64歳の人の事を指していますが、指定された特定疾病によって介護が必要だと判断された場合に受ける事が出来ます。

介護が必要だと判断されるのは、要介護認定をしてもらう申請をして認定して貰う事が必要となります。


何故介護保険制度が導入されたのか

介護保険制度は2000年に導入されましたが、何故今介護保険制度が導入される必要が有ったのでしょうか。その理由を挙げてみたいと思います。

今でもそうかもしれませんが、介護と言うと各家庭、各家族で行う物と言う意識が有ると思います。それが介護保険制度が制定される前はもっとその考えが強く有ったのではないかと予想されます。しかし今では日本も世界一の長寿国の高齢化社会になっている事も有り、お年寄りが増えてきています。また寝たきりになったり、認知症になったり、老々介護になったり、介護自体が長期化してきたりと、1人の介護に対する負担がかなり高くなってきている様にも感じ、介護の重要性が高まってきていると感じると思います。先程挙げたお年寄りがお年寄りを介護する老々介護も増えてきている現実も有り、問題が山積みとなっています。家族が介護をする事自体にも問題が出てきています。核家族化、女性の社会進出等で介護をする人がいないと言う事、介護が必要な人と一緒に暮らしていないと言う事、だから介護が難しいと言う現実があるのです。

そう言った事を受けて、介護をする人の事、介護される人の事を家族間の問題として終わらせるのではなく、社会全体で守っていこうと言う仕組みを作る為に介護保険制度が作られたのです。介護保険制度は福祉と医療を一体化させ、介護が必要な人達に介護サービスを提供する事になっています。これにより、介護問題が今後少しでも解決していく事が望まれているのです。


介護保険は誰が利用出来るのでしょうか

介護保険制度が制定された事によって、介護が必要な人は介護サービスを受けられる事になりましたが、全ての人が受けられる訳では有りません。有る条件が必要になりますので下記に挙げてみたいと思います。

≪第1号被保険者≫
第1号被保険者と言うのは、65歳以上の人達の事を指しています。この方は介護保険制度を基にして要介護・要介護支援と認定された人全てが介護サービスを受ける事が出来る様になっています。

≪第2号被保険者≫
第2号被保険者と言うのは、40歳~64歳の人達の事を指しています。この方は要介護・要介護支援と判断された人全てが介護サービスを受ける事が出来るのではありません。要介護・要介護支援と判断された人で、特定疾病が理由で判断された人が受ける事が出来る様になっています。ここで言う「特定疾病」とは老化に伴って起こる疾病の事を指しています。

ここで言っている特定疾病にはどんな物が有るか下記に挙げてみます。
「骨粗鬆症(骨折を伴う物)」「筋萎縮性側索硬化症」「パーキンソン病」「脳血管疾患」「早老症」「慢性関節リウマチ」「慢性閉塞性肺疾患」「閉塞性動脈硬化症」「後縦靱帯骨化症」「認知症(初老期に限る)」「閉塞性動脈硬化症」「脊髄小脳変性症」「脊柱管狭窄症」「シャイ・ドレーガー症候群」「糖尿病性の神経障害、腎症、網膜症」「変形性関節症(著しい変形を伴う物)」になりますが、これに今は「末期がん」も特定疾病扱いとして介護保険サービスが受けられる様になっています。


介護保険制度が導入される前の制度

2000年に導入された介護保険制度ですが、せっかく有る制度ですから上手に利用した方が良いと思います。この介護保険制度が導入される前は介護に関する制度には「措置制度」と言う物が有りました。これは市町村等の各行政によって今で言う「要介護」「要介護支援」と言う様な介護が必要かどうかと言う判断を行っていて、必要と判断された人を介護施設に入所させる様にしたりとか、訪問や在宅介護サービスを利用する様に行っている物でした。今と違う事と言うと、介護サービスは介護を受ける側が選べないと言う所に有った様です。また、介護が必要かどうかを判断する時も所得調査が必要になる等、心理的に嫌だなと思う様な調査も含まれていたそうです。

今ではそう言った措置制度は廃止され、介護保険制度が取り入れられる様になりました。この介護保険制度は40歳以上の方が支払っている介護保険料を財源として運営されている保険になります。以前の措置制度と違い、要介護の人達は誰に気兼ねをする事も無く介護サービスを受ける事が出来る様になったのです。また今までは選べなかったサービスも選べるようになったので、介護の幅が広がったと言えるでしょう。しかしデメリットも有って、以前の措置制度の場合はやらなかった手続きを、介護保険制度では自分達で行う事になる為、多少面倒と思える部分も出ているのです。自分達で申し込んだり契約したりする事で自由な介護サービスを受ける事が可能となったのです。


介護保険料の内容

介護保険法を基に介護保険制度が制定されています。この制度を上手く運営していく為には財源が必要になります。この財源、半分は私達が支払っている税金で賄われています。税金と言っても国と各都道府県、各市町村の3箇所がそれぞれ負担する形になっています。そして残りの半分は介護保険料と呼ばれる40歳以上の人が無条件で加入させられている保険料で支払われているのです。無条件と書きましたが、これは法律で定められている介護保険制度を運営する為になりますので、必ず加入する事が義務付けられているのです。ですから、「自分は介護保険サービスを使わないから保険料を払わない」と言う事は認められないのです。

では、専業主婦や自営業の方は介護保険料を支払わなくてもいいのでしょうか。40歳~64歳の専業主婦の場合ですが、旦那さんがサラリーマンや公務員の方の場合は旦那さんがお給料から支払っている介護保険料に含まれていますので、直接支払う事はしなくて良いのです。但し、旦那さんが自営業の方での専業主婦の場合は、ご自分が支払っている国民健康保険に上乗せする形で介護保険料を支払う事になります。また自営業の方は国民健康保険に上乗せされていますので確認して見ると良いでしょう。また、65歳以上の専業主婦の場合は旦那さんの保険料で支払うと言うのではなく、介護保険料を自分で支払わなければならなくなります。

こうして、40歳以上の方が保険料を支払っている事によって介護保険制度が賄われているのです。


介護保険料の支払い方

介護保険制度を運営していく為に必要なのが介護保険料ですが、40歳以上になると必ず支払わなければならない決まりになっています。ではこの介護保険料はどうやって支払われているのでしょうか。支払い方ですが年齢や仕事の状況によって変わってくる様になっています。

【サラリーマン・公務員】
40歳~64歳のサラリーマン、または公務員の場合は自分では意識してないと思いますが、お給料から介護保険料を天引きする形で支払っています。支払っている介護保険料の半分は自分の給料から、残り半分は事業主が支払っています。

【自営業】
40歳~64歳の自営業の方の場合は、国民健康保険料に介護保険料が上乗せされています。介護保険料の半分は自分で、残り半分は国が支払う様になっています。

【専業主婦】
40歳~64歳の専業主婦の方で、旦那さんがサラリーマンまたは公務員である場合で扶養に入っている場合は、介護保険料を直接支払う事は有りません。但し、旦那さんが自営業である場合は国民健康保険料に上乗せされますので、ご自分で払う事になります。

【65歳以上の方】
65歳以上の方の場合で年金生活を送っている人の場合は、介護保険料は年金から天引きされる様になりますので、介護保険料が天引きされた後の金額が年金として手元に入る事になります。但し、年金額が月額15000円以下の人の場合は、天引きと言う形ではなく各市町村が徴収する事となっています。

こうして皆が支払う事で、介護保険制度は上手く回っているのです。


介護保険制度の申請について

介護保険制度を利用する場合ですが、要介護度を認定して貰う為に介護保険制度を利用する人が直接申請を行わなければなりません。介護サービスを受ける上で、この申請と認定は必ずしなければならない事ですので、その流れをよく把握しておきましょう。

【要介護認定】
介護保険制度に基づいた介護保険サービスを受ける必要があると思ったら、要介護認定を受ける必要が有ります。この要介護認定は介護がどの位の度合いで必要なのかを判断する為に行われる認定です。この認定によって介護サービスを受ける事が出来るようになります。要介護認定を受ける為には先ず申請をする事から始まります。

【申請】
ご自分が住んでいる各市町村、または居宅介護支援事業者から申請書類を貰い、必要事項を記入した上で提出して下さい。これで申請は完了します。その後に、申請を受けた市町村職員または介護支援専門員が介護される人のお宅を訪問して、様々な調査が行われます。主に聞き取り調査になります。その調査を基にコンピューターにかけて第一次判定が行われます。その後で主治医の方の意見や訪問調査で行った情報を基にして介護認定審査会が開かれ、要介護と認定するかどうかを判断します。ここで要介護と判断された場合、本人に要介護度が記載された書類が通知されます。ここまでおよそ1ヶ月程かかると思って下さい。判断された要介護度を基にしてケアプランが作成され、サービスを受けられるようになります。


要介護認定の申請はどこにすればいいのでしょうか

介護保険サービスを利用する前に、ご自分が介護が必要かどうかを判断して貰う要介護認定を申請しなければなりません。これは介護支援制度に基づいて行われる認定になりますので必ず必要になります。申請自体は本人またはご家族が行う事になりますが、各市町村で基本的には申請できる様になっています。また、各都道府県が指定した施設(「指定居宅介護支援業者」「指定介護保険施設」)でも申請する事が出来るのですが、ここでは代行申請と言う事になりますので、その施設にお願いして申請をしてもらう事になります。どちらが良いか判断に迷った場合は各市町村の介護担当、または担当医師に問い合わせてみると良いでしょう。

介護保険制度を利用するにあたって要介護認定の申請をするには用意しておかなくてはならない物が有ります。介護保険制度が適用される方、つまり介護保険の被保険者としての証明書類である「介護保険被保険者証」を用意しておいて下さい。保険料を支払っているのは40歳以上の人になりますが、「私は今持ってないわ」と言う人は40~64歳の人になると思います。この介護保険被保険者証は65歳以上の人には全員に各市町村から交付されています。受け取った人は無くさない様に保管しておく事が必要です。また40~64歳の人には基本的には交付されていません。もし申請が必要になった場合に各市町村に届け出て交付して貰う様にしましょう。後の必要書類は各窓口に有りますので、そこで貰う様にして下さい。


要介護度の認定調査について

介護保険制度において、要介護認定をして欲しいとの申請書類が提出されるとそれを受けて、介護が必要かどうか、その度合いはどの位の物なのかと言う認定調査員による認定調査が訪問で行われます。これによりどの位の介護度合いなのかが決まり、受けられる介護サービスの種類も決まってくる様になります。調査を行うのは基本的には各市町村の担当職員となっていますが、介護保険制度制定後、介護保険法の改正以前はケアマネージャーと言う専門員が訪問して調査をする場合も有った様です。調査はちゃんと連絡が着ますので、本人やそのご家族が揃える日を選んで来てもらう様にすると色々話が出来ると思います。

この調査方法、基本調査票と言うのが全国で共通に有りますので、これを基にして聞き取り調査が勧められる事になります。主に聞かれる内容としては「身体機能の事について」「認知症の事について」「医療について」と分野が分かれています。その分野にいくつか質問事項が有りますので、3~4レベルで「自立」「介護支援有りで自立可能」「自立不可能」として判断されていきます。もちろん、この基本的な聞きとりだけじゃなく、それ以上の情報が有る場合は特記事項として扱われ、後で認定会議で考慮される事になります。ですから、自分が何が出来て何が出来ない、どれ位の介護が必要かと言う事をきちんと調査員に伝える様にしておきましょう。調査となるとちょっとドキドキしたり、誇張して話したりする可能性も有りますが、ありのままを伝えられる様にして下さいね。


ケアマネージャーについて

介護保険制度の制定が行われてから、ケアマネージャーと言う資格が注目を集めています。要介護認定で介護レベルが判断され、介護認定基準と判断される事によって介護保険サービスを利用する事が可能となります。どんな介護サービスを受けられるか、どういう周期で受ければいいのか決めるのがケアプランと呼ばれる計画になります。このケアプランですが、介護を受ける側が自分達で決める事は先ず無く、大抵はケアマネージャーに依頼して作成して貰うのが一般的となっています。このケアマネージャーは、介護保険制度の専門職としてなっていて、ケアプランの作成はもちろんですが、介護保険に関する相談、各種申請や手配、介護保険料の計算などもやってくれます。

このケアマネージャー、実は介護保険制度が始まる事によって導入された資格になります。誰でもなれると言う物ではなく、医療・介護・福祉いずれかの国家資格を持っている人、実務経験が有る人が受けられる様になっていますので、現場の考えに基づいた判断が期待される職業だと思います。ケアマネージャーの試験は年1回で、それに合格した後、前後期に分けて行われる実務研修を受講した後に初めて資格が貰える様になります。介護保険制度に関する豊富な知識と、ケアプランを立てる冷静な判断や、毎年変わる介護保険法を把握する情報収集能力が必要な職業ではないかと思います。

ケアマネージャーの受験資格は医師や保健師、看護師、あんまマッサージ師、栄養士、作業療法士等、医療・介護・福祉に関わっている人達になります。詳しい事は各市町村の窓口に問い合わせてみてください。


ケアマネージャーはどうやって選んだらいいのか

ケアマネージャーは介護サービス提供事業者や在宅介護支援センターや老人ホーム等の介護支援事業者で働いている場合が多い様です。介護保険制度から提供されている介護サービスを受ける為にはケアプランを作成してもらったり、色んな情報を提供して貰ったり、ずっとお付き合いが続く様になるかもしれません。介護保険制度は毎年見直されたりされていますので、その情報にも敏感な人じゃないといけませんよね。ですから知識が豊富で介護を受ける方との意思疎通がしっかり出来るケアマネージャーを選ぶ事が、後々介護サービスを受ける上で大切なのではないかと思います。ケアマネージャーは介護利用者やご家族の方とコミュニケーションも取っていきますし、色んな連絡や調整を行う非常に重要な役割を担っています。そんな大切なケアマネージャーを選ぶポイントとはどんな事なのか挙げてみましょう。

【ポイント】
・ケアマネージャー個人の意見を押し付けず、介護利用者側の意見をきちんと聞いてくれるかどうか
・何か問題が起こった場合、その問題から逃げずに親身になって相談に乗ってくれるかどうか
・ケアマネージャーが立てたケアプランに対する説明を、理解できる様にして貰う事ができるかどうか
・介護サービスだけじゃなく、色んな知識を教えてくれるかどうか
・ケアプランを立てたらそれっきりと言う訳じゃなく、定期的に連絡を取ったり、訪問したりしてくれるかどうか

等が挙げられます。ポイントを見てみると知識とコミュニケーションがやっぱり大切であると言えますので、そう言う所をポイントとして選んでみてはいかがでしょうか。


ケアマネージャーが作成するケアプランについて

介護サービスを受けるに当たって、ケアマネージャーと呼ばれる人がケアプランを作成するのですが、このケアプランは要介護度によってどんなサービスを提供したらいいか、その頻度はこの位で、この位のサービスを受けたら良いと言う様な感じで作成していく物となっています。何故要介護度によってなのかと言うと、度合いによって上限費用が決まっているからで、その費用の中でサービスを受けられる様になっています。介護保険制度によって受けられる介護保険サービスの自己負担額は1割となっており、残りの9割が介護保険料から支払われる様になっています。但し、これはケアプランを作成している時の話になります。もしケアプランを作成しない状態で介護サービスを利用した場合、一時的では有りますが費用を全額負担する事になっています。その後に申請をして9割戻してもらう償還払いと言う流れになり、一時的ではあるけれども全額負担はやっぱり負担になりますので出来ればケアプランは作成して貰った方が良いと思います。

ケアプランはケアマネージャーに作ってもらうのが一般的となっていますが、個人でも作成する事が可能となっています。しかし、介護保険制度は理解が難しいと言う事も有りますのでやはり慣れない内はケアマネージャーと一緒に作っていく等して、知識を蓄えていった方が良いかもしれません。その後に徐々に自分達の意見も取り入れていく様な感じにしていくと良いでしょう。


介護保険制度を上手く使おう

介護保険制度は利用する側の意思が問われる制度になっています。上手に利用すると良い制度ですが、よく理解しないと損をしてしまう可能性も有りますので、上手に使ってみてください。介護保険制度は以前の措置制度とは違って、介護を受ける側の申請から始まって提供される制度となっています。また受けるサービスに関しても選択が出来ますので、介護保険制度に関する正しい知識を持っておかなくてはなりません。

この介護保険制度基本的な部分は全国共通だと思いますが、各市町村によって勧められている制度でも有りますので、細かい運営方法に関しては各市町村によって違ってくる事になります。また保険料についても全国一律ではなく、市町村で決めて請求されていますし、それによって独自のサービスを提供している市町村も有ります。市町村毎に異なる部分が有ると言う事ですので、市町村から提供されている情報を常にチェックしておく事が介護保険制度を的確に利用する為に必要な事だと思うのです。

大体はホームページに記載されていると思いますが、利用する方は大抵お年寄りの方だと思います。ホームページなんて見られないと言う方が多いかもしれません。そう言う方は広報紙などをチェックしておくと良いでしょう。介護保険制度は正しく使う事で、気持ち良い生活を送れる様になりますので、ご家族に関しても負担が軽減される素晴らしい制度だと思います。その為にも上手に利用しましょう。


ケアマネージャーと上手にお付き合いしていくには

介護保険制度を良く知っているケアマネージャーと上手に付き合う事が、介護保険制度を上手く利用する鍵となると言えます。ケアマネージャーの主な仕事としてケアプランを作成すると言う仕事が有りますが、このケアプラン実は介護を利用する側の人達でも作る事が出来るって知っていたでしょうか。しかし、ケアプランの作成方法はやはり難しいと思いますので、慣れるまで最初の内はケアマネージャーに作成して貰った方が無難ではないかと思います。また、個人で介護サービスに関して手続きを踏んで行くと、必ず疑問となる事や不安となる事が出てくると思います。そう言った時にケアマネージャーがいる事で、よきアドバイスを頂けるのではないかと思うのです。個人的感情だけでなく介護保険制度を考慮した的確な判断や冷静な判断を聞く事が出来ますので安心と言えるでしょう。そう言ったお付き合いをしていく為にも、コミュニケーションを取っていく必要が有ります。基本的には一度お願いしたケアマネージャーが付く事になりますので、もし合わないようでしたら交代してもらうと言う事も有りますので、各事業者に問い合わせてみましょう。

ケアマネージャーは介護を受ける方やご家族の方の事を第一に考えてケアプランを作成しています。費用だけを考慮して作成すると家族の負担となってしまう事も考えられますので、とにかく受ける方を主体としたプランを作成してもらう事が大切なポイントだと思います。その為にも自分の意思を伝えられる様にする事が大切となります。


介護サービス【有料老人ホーム】

民間が経営している高齢者施設として有料老人ホームが有ります。食事や日常生活に関するサービスを提供している施設で、常に10人以上の高齢者の方が入所している様になっています。この中で介護サービスをしている施設は結構有ると思うんですが、介護保険制度の要件を満たす事で「特定施設入居者生活介護」と言う指定を受ける事が出来るようになりますそうなると介護保険の対象施設である事になりますので、施設内の職員から介護保険制度に合わせた介護サービスを提供して貰う事が可能となります。介護保険制度の対象とならない施設の場合は、訪問介護等、施設以外の所からサービスを提供して貰うと言うかたちになります。

有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康型」と大きく分けて3種類の老人ホームに分けられます。介護付きに関しては、介護保険制度の特定施設で有る所が多いので、介護が必要になった時は介護サービスをホーム内で受けながら生活をしていく事が出来ます。住宅型に関しては介護が必要になったら、外から介護サービスを呼んで施設内で受ける事が可能となっています。但し健康型に関しては要介護と認定されてしまったら退去しなくてはならなくなり、自宅で介護サービスを受けると言う事になります。

介護保険制度が始まってからこうした有料老人ホームが次々と作られている現状に有ります。その質や値段、形態はさまざまですが、保険を目的とした悪質業者もいる現実も有ります。入居の際は充分に調べた上で入居する様にしましょう。


介護サービス【ケアハウス】

介護保険制度で提供される介護サービスの中にはケアハウスと呼ばれる施設でのサービスを提供しています。この施設は軽費老人ホームと呼ばれる老人ホームの種類で、別に介護利用型軽費老人ホームと呼ばれる事も有ります。ケアハウスは全室個室になっていますので、同居生活が苦手な方や、プライバシーを尊重したいと言う方にぴったりの施設だと思います。ここでは車いすに乗る事になった要介護者の方でも、自立生活が送れる様に配慮されています。しかし、この施設に入居するとなると気になるのがその費用ではないかと思います。もちろん入居に関する費用や月額にかかる費用は必要になるのですが、有料老人ホーム並みの高額さではないので安心して下さい。家賃も入居費用も格段に違いますので比較して見ると良いでしょう。

このケアハウスに入居している方がもし要介護認定をされた場合ですが、通常の場合と同じ様に介護保険制度による介護サービスをケアハウス内で受ける事が可能となっています。ただしケアハウスによっては介護保険制度の基準が満たされている施設も有りますので、そう言った場合はケアハウス内の職員から介護サービスを受ける事も可能となっています。こう言うケアハウスはまだまだ数が足りていませんが、今後は増えていくと予想されています。

介護サービスは自宅だけでなくケアハウスの中でも受ける事が出来ますので、介護に関する考え方が断然変わってくる様に思えないでしょうか。


介護サービス【在宅サービス】

介護保険制度を使って利用出来るサービスの中には、在宅と施設の主に2種類が有ると言われています。ここではその内の1つ、在宅サービスの種類について説明してみましょう。介護保険制度を把握する上で大切な事ですので覚えておくと良いと思います。

【訪問介護】
要介護者がいるご自宅へ出向き、ホームヘルパーの方が介護や身の回りの事を援助してくれるサービスになります。

【訪問看護】
訪問看護とは看護師や保健士の方が、要介護者がいるご自宅へ出向いて、薬の服用だったりその方の様子をチェックしたりする等看護支援を行うサービスになります。

【訪問入浴介護】
要介護者がいるご家庭へ出向いて入浴介護を行うサービスになります。こちらは巡回入浴者と言う入浴施設が有る車を使って出向く様になっています。

【訪問リハビリテーション】
要介護者がいるご自宅へ出向いてリハビリテーションを行うサービスになります。これは理学療法士や作業療法士が行う事になります。これを行う目的としては、日常生活が自力で行えるように支援する事で心身の機能を維持する事が挙げられています。

【居宅療養管理指導】
要介護者がいるご自宅へ出向いて、医療上の管理・チェックを行います。医療上の事になりますので医師や歯科医師の方が訪問する事になります。

一部では有りますが、在宅サービスにはこの様な事が挙げられます。これにより今まで介護を行っていた家族の方の負担が減る事、要介護者自体の生活もしやすくなる事が挙げられるのです。


介護サービス【訪問介護】

介護保険制度から提供されているサービスの1つに訪問介護サービスが有ります。これは日常生活を自力でするのに支障がある介護利用者に対して、ホームヘルパーが自宅へ行き、介護や世話をしてくれるサービスとなっています。訪問介護では生活介護と身体介護と言うサービスを主に提供しています。

【身体介護】
身体に関する介護の事を指しています。主に食事や排せつの世話、入浴の介助、寝たきりの人の場合は体位を変えてあげたり、移動させてあげたりする事も有ります。また洋服の着脱のお手伝い、起床や終身に関する介助や、外出のお手伝い等も行っています。この他にも身体的に必要だと思われる介護が行われています。

【生活介護】
生活に関する介護(介助)を主に行っています。これは要介護者が自分で出来ない生活面、掃除、洗濯、炊事、買い物、薬の授受等が行われています。これは要介護者が1人暮らしだったり、家族が家事を出来なかったりする時に利用されるサービスになっています。勘違いされやすいのですが、年に一回の大掃除や、ワックスがけ、本人以外の部屋の掃除や本人以外の食事の支度、草むしり等はこの中に含まれていませんので、利用者側も注意する様にしましょう。

また、介護保険制度が改正されてからは要支援と認定されて人は介護予防サービスと呼ばれるサービスを受ける事に変更されています。このサービスでは本人が出来る物は本人に出来る限り行って貰うと言う事に重きをおいたサービスを展開しています。これにより多少のリハビリにはなるのではないかと予想されます。


介護サービス【訪問看護】

要介護者と介護保険制度で認定された方が受けられるサービスの1つに訪問看護が有ります。このサービスでは訪問看護を主としている施設等なら看護師を介護が必要な方の自宅へ派遣して、自宅療養に関するチェックや健康チェックを行うサービスとなっています。訪問看護を受けられる方は、病状が安定している方、かつ医師が訪問看護が必要と判断された方に限って利用する事が出来る様になっています。病院に定期的に通院出来ない方でも、看護師が症状をチェックして担当医師に伝えているので、在宅をしていながらも常に病状がチェック出来ると利用者には便利なサービスとなっています。

では、訪問看護で行われる内容とはどんな物が有るのでしょうか。訪問時の病状をチェックして、担当医師に報告をして必要であれば医師が訪問したり、病院に行ったりと言う判断をしてもらう事が出来ます。また入浴出来ない方については蒸しタオル等で体を洗ったり、髪を洗ったりしてもらう事が出来ます。更に寝たきりの方に関しては床擦れが起きない様に体の向きを変えてあげたり、床擦れが出来ている人にはその処置を行ったりする事もしています。また、ご家族への介護指導も行っています。

この訪問介護、本来は介護保険制度が取り入れられた介護保険で行われる様になっていますが、医療保険でも利用出来る場合も有ります。末期ガンの方、難病患者の方、主治医が必要と判断した方等になっています。介護保険と医療保険のどちらでも利用出来る方は、主治医やケアマネージャー等に相談してみて下さい。


介護サービス【訪問看護2】

訪問看護ステーションや病院や診療所等で訪問看護サービスは行われています。どこの施設から訪問看護を受けるかは主治医と相談して決める事が重要になると思います。では何をポイントに選んだらいいのか、訪問看護と組み合わせても良い介護サービスは何が有るのか少し挙げてみましょう。

病状によると思いますが、訪問看護でも24時間対応の所を選ぶ事をポイントと挙げている場合が有ります。この場合は利用料金が少し増す場合が多いですので注意しましょう。また介護保険制度を利用している場合は訪問介護と訪問看護が連携されている事業者を選ぶと介護サービスに対して何かと安心して利用出来ると思います。また両方のサービスを提供している事業者も有りますので、調べてみると良いでしょう。

例えば訪問で入浴介護サービスを行っている場合が有りますが、訪問入浴介護をするには原則的に看護師が付き添っていなければなりません。ですから、訪問介護と訪問看護を上手に使い分ける様にケアマネージャーの方にプランを作成して貰う様にすると上手に両方が利用できる様になります。更に、訪問看護との組み合わせで良い介護サービスとなるとデイケアもお勧めです。デイケアで医療施設に置いてリハビリテーションを利用する場合はその場所に医師や看護師を配置しなければなりませんので、何か有った時に便利です。こう言った事も訪問看護と一緒に使い分ける様にすると、介護保険制度が上手に使えるようになると思います。


介護サービス【訪問リハビリテーション】

訪問リハビリテーションと言う介護サービスが有ります。利用者の家庭を理学療法士や作業療法士の方が訪問して、日常生活の自立を目指すため、心身の機能を衰えさせない様にする為の維持、回復を目指して行うサービスとなります。介護保険制度では一般的なサービスとなっています。介護保険制度を利用して使われているケースも多いです。

リハビリテーションではどんな事が行われるのかと言うと、日常生活で必要とされている歩行訓練、入浴や食事や排泄と言った行動訓練等、また寝たきりにならない様に固まりやすい関節の稼動域を広げるリハビリ等が主に行われている内容になります。更に、ご自分達でも毎日リハビリが行える様に、利用者やご家族に対しての指導も行っています。

最近の入院事情を見てみると、長期入院をさせないで短期で退院させられる傾向が有ります。よってリハビリを行っている方が途中で退院となる事も珍しくないのです。しかし、リハビリが終了していないのに退院しても続けなくては意味がなくなってしまいますよね。そこで通院が困難な人の為に利用されているのが訪問リハビリテーションになります。入院していた病院に訪問リハビリテーションのサービスが有るか、または介護保険制度を利用しているならば、ケアプランの中に組み込んでもらう様にしてもらうか確認しておきましょう。

ただし、要介護支援と認定された方は新たに制定された介護予防サービスとしての介護予防訪問リハビリテーションを利用する様にしましょう。


介護従事者の問題点

介護保険制度がスタートしてから有る程度の年月が経ちました。介護サービスを利用する人も増加してきましたし、サービスを提供する介護事業者も増えてきました。利用する人、提供する人が増えてくるとどうしても財源が問題になるのではないかと思いますよね。財源が無いとサービスの質が低下してきたり、不正業者が出てきたりする等、今までに無かった問題が勃発してくる様になります。介護保険制度の問題は今後増えてくると予想されますが、ここで挙げてみたいのは介護従事者達の質について挙げてみたいと思います。

介護をする人はそれなりの資格を持っている事が義務付けられています。現在介護を行っている人が持っている資格は「介護福祉士」「介護職員基礎研修」「ホームヘルパー1、2級」の4つになっています。しかし今後の展望としてホームヘルパー1級は介護職員基礎研修への吸収と共に廃止される見通しとなっており、今後介護従事者の体制が変わる事が予想されています。また2009年の4月よりホームヘルパー3級の介護報酬自体も廃止となる事を受けて、この資格自体も無くなってしまいました。もちろん直ぐにと言う訳では有りませんでした。2000年の介護保険制度のスタートから廃止までに9年と言う長い年月がかかっていますので、徐々に検討されてきたと言う事が伺えます。しかしこの背景には介護業界の人手不足が挙げられているのです。このホームヘルパー3級の廃止に伴って介護職員基礎研修と言う資格が新たに導入されたのです。

こうして、介護従事者の質を向上していこうと努力する一方で人材不足によるサービス提供不足が懸念されている様な問題が有ります。


介護保険制度の実状

介護保険制度が適用される被保険者数ですが、介護保険制度が始まった当初と比べてみても現在では第1被保険者と呼ばれる65歳以上の人の数は増えているのに対して、第2被保険者と呼ばれる40~64歳の人の数は減少傾向にあるそうです。更に被保険者の中でも要支援の人も含めた要介護認定者数の人の数はかなり増えていて、被保険者が伸びている割合よりもかなり大きな伸び率を示しているそうです。その要介護者数の中でも第1被保険者の割合は9割以上となっている事が現状として有る為に、介護保険制度は高齢者用の介護保険制度と実質的になっている様です。その数字だけで見てみると高齢者の中の15%は要介護認定を受けている計算になるので、かなり高齢者の要介護者率は高いと言えますし、高齢者自体も増えてきている事もその原因となっている様です。

要介護者と認定された殆どの人が介護サービスを受けていると思いますが、やはり介護保険制度が始まった当初よりは2~3倍にも増加している傾向にある様で、その内訳としては6割が居宅サービス(在宅)、3割が施設サービス、残り1割が地域密着型サービスを受けている事が分かっています。中でも居宅サービスの伸び率が断然多い様です。

また、介護保険の総費用に関してもかなり大きい物になっているそうで、そう言った数字の面からも伸び率の面からみてみても国民生活の介護部分の中に介護保険制度が根付いている現状で有る事を物語っていると言えるのではないでしょうか。


介護保険制度が誕生した理由

日本は既に高齢化社会となりつつ有ります。その状況を背景にして介護保険制度が誕生したのです。団塊の世代が定年を迎えた今、高齢化社会にまっしぐらと言うのは明白ですよね。1人暮らしをしている高齢の方も多く、今後ますます介護の心配をしなくてはならない状況になっています。そして高齢者の方は介護が必要にならない様に元気でいる為に、介護が必要となっている方は、現在の症状を悪化させない様に、出来るだけ自立した生活が送れるようにと社会全体で支援すると言う事を目的として、介護保険制度が誕生した様です。

では、介護保険制度が制定された目的は具体的に言うとどんな物なのでしょうか。それは何と言ってもこれから深刻化するであろう高齢化社会に向けて介護問題を社会全体で取り組もうと言う目的があるからです。高齢化が進むにつれて寝たきりになったり認知症になったりと介護が必要になる人がどんどん増えてくると予想されています。また介護が必要になってもそれが短期間ではなくて長期間になってしまう場合が多くなり、介護する側への負担、介護する人が高齢化になってしまうと言う事が予想されている為に、家族で介護をするには限界が来ると思う様になります。そう言った自体に陥らない様に社会全体で介護に対する仕組みを作り上げ、介護を受ける側、その家族にかかる負担や不安を軽減させる事を目的として作られたのが介護保険制度で、万全になる様に色々と試行錯誤が繰り広げられています。


介護保険制度の被保険者資格について

介護保険制度を受ける為には、被保険者になっておかなくてはならないのですが、資格の取得時期や喪失時期について説明しておきます。

介護保険の資格取得については有る一定条件が満たされた時に自動的に取得出来る事になっています。この様な資格の取得の仕方を事実発生主義と言っています。特に自分達で手続きをする必要はないのです。その条件は以下の通りです。
【被保険者資格の取得条件】
・各市町村に住民票が有る医療保険加入者の方が、40歳になると資格が取得されます。
・40歳~64歳の医療保険加入者、更に65歳以上の方なら誰でも、他の地域から住所を移した時に資格取得となります。
・生活保護を受けている40歳~64歳の方が医療保険に加入した場合に資格取得となります。
・生活保護を受けている人で医療保険に加入していない人は資格が取得出来ませんが、65歳になった時点で資格取得となります。

もし資格を取得の手続きをしていないとしても、被保険者としての条件が満たされていると判断された時点で事実が発生した日まで遡って被保険者として手続きが行われる様になります(これを遡及処理と呼んでいます。)ので特に心配する必要はないかと思います。ここまでで資格取得の話になります。次は資格を喪失する時の条件について説明してみましょう。

【被保険者資格の喪失条件】
・住民票を移した翌日に資格を喪失します。
・40歳~64歳の資格取得者が医療保険から脱退した場合、その日から資格を喪失したとみなされます。
・被保険者の方が亡くなった場合、その翌日から資格を喪失する事になります。

介護保険制度を利用するには資格を取得している事が条件となりますので、各市町村の介護窓口に問い合わせてみるとご自分が取得しているか分かると思いますよ。


要介護度認定の意見書について

介護保険制度には要介護度の認定がされなければ利用する事は出来ない様になっていますが、この要介護度認定をする為には調査員による訪問調査を受けなければなりません。その調査時の資料と、かかりつけ医によって書かれた意見書が認定を判断させる為の資料となります。この意見書に書かなければならない記載項目はたくさん有り、内容自体も複雑になっています。また、記載する欄が小さく書きにくいと言う点、要介護認定に必要ではない項目も、書くこと自体がはばかられる項目も有るようで少し問題視されています。この意見書、記述式で有る為にこの様にボリュームが有る事は医師の負担になりますし、最悪記述自体も短く疎かになってしまう可能性も有ります。医師が書く意見書で有るならば、もう少し簡潔に書く様にしたり、チェック方式にしたりする等、工夫が必要ではないかと感じるのです。

こうして苦労して書かれた意見書は要介護認定の二次審査で使われるのですが、介護においての注意事項や管理に対する記述もたくさんある為に、審査時に使われる項目自体は少なく、負担だけが強いられる事になりますので、見直して、誰もが分かりやすい様な、判断に必要な項目だけに絞る等の見直しが必要ではないかと思うのです。また、こうした意見書が通常の診断書と同じ扱いになっているのが、介護保険の診断書として扱われているのかも気になる所ではないでしょうか。こうして介護保険制度が成り立っている現状なのです。


介護予防とは

介護保険制度の中に介護予防と言う物が有りますが、これは一体何なのでしょうか。介護保険制度における介護予防と言うのは、生活機能が維持または向上する様に支援し、要支援や要介護状態の軽減や予防を図って、高齢者自体の自立を支援する事を指しています。

基本的な介護予防の考え方としては、どんなに今は元気で自立した生活を送っているとしても、加齢や環境、精神面等色んな事が要因となっていつ日常生活に支障をきたす様になるか分かりません。そうした中で今の生活機能を維持したり向上させたりと支援する事で生活機能自体が低下しない様に防止する事が出来る様になります。そういった考え方から介護予防と言う物が出来ているのです。

では実際に介護予防とはどんな事を行っているのでしょうか。先ず第1段階ですが、今は関係ない様な健康な高齢者も含めて全ての高齢者に対して、介護予防手帳を配布して、生活機能を低下させない為の講演会の実施やパンフレットの配布を行っています。第2段階ですが、要介護・要支援介護になる可能性が有る方を色んな訪問をして早期発見をし、介護予防サービスを受ける様に勧める活動が行われています。第3段階としては、介護保険制度で要介護と認定された方に対して介護サービスを提供したり、要支援介護と認定された方に対して介護予防サービスを提供したりする活動を行っています。

いずれにしても、生活機能を自立して行える様に考え出されたのが介護予防なのです。


介護保険制度が創設された狙い

「介護」「保険」と言う名前が入っている介護保険制度ですが、社会保険方式で賄える様な狙いが含まれている様なのです。それは介護サービスに関わる費用についてですが、国や都道府県、市町村から出されている公費を財源とするのではなくて、被保険者が支払っている介護保険料を財源として賄う様にする事で、被保険者が受ける介護サービスは介護保険料を支払っている事の見返りとして受けられるのだと言う利害関係が一致する事になるのです。この介護保険料を財源とする事を社会保険方式と言っているのです。

その他の狙いとしては介護保険制度が開始される前は、老人福祉と老人医療は分かれていた事も有り、利用者は一緒に受ける事が出来ない現状が有りました。しかし介護保険制度が実施された後は、そう言った制度が再編成されるようになり介護保険制度を受ける利用者本人が自由に好きな事業者からサービスを受ける事が可能となりました。これによって適切なサービスが一体的に受けられる事になったのです。

こうした色んな狙いを見てみても、介護保険制度が導入された狙いには高齢者介護をきちんと整備する事、社会保障を全般的に改革する事、高齢者の為、ご家族の為に制度が決められるべきで有る事と言う願いが込められている様に思います。最初は色んな問題が有った介護保険制度ですが、今では介護保険制度は国民に定着してきていて、今後も運営・維持に関して見直されていくのではないかと予想されると思うのです。


在宅介護の主なサービス

在宅サービスの内「在宅介護の3本柱」と呼ばれているサービスが有ります。それが訪問介護、通所介護、短期入所生活介護の3サービスです。訪問介護はご自宅へ訪問して身の回りの事をしてくれたり介護してくれたりします。通所介護は在宅介護センター等の施設に訪問して入浴介護や趣味のお手伝いなどをしてくれます。短期入所生活介護はご自宅での介護をする方が病気等でいない状態になった時、特別養護老人ホームへ短期間では有りますが入所させてくれてそこで介護をしてくれるサービスになります。この3つのサービスを軸にして色んな在宅サービスを組み合わせて利用する様にすると、要介護者にとっても生活が円滑になって生活もしやすくなりますし、介護をしているご家族の負担も大きく減らしてあげる事が出来る様になります。

但し、この在宅サービスは元々の介護保険制度では要支援認定以上の人が利用できる様になっていました。しかし介護保険法が改正され新たな介護保険制度においては要介護認定以上の人が利用出来ると言う様に変わってしまい、要支援認定の人はサービスが受けられなくなってしまいました。そうなると要支援の方はどうしたらいいのでしょうか。それを救う為に介護予防サービスと言うサービスが介護保険制度で新たに制定されましたので、そちらを使う様になった様です。

この様に、今まで受けられていたサービスが受けられなくなる等、介護保険制度によって変わってきますので、常に把握しておく事が必要となります。